星野仙一氏の訃報
今年に入ってから初でしょうか。
日本の著名人の訃報。
違ってたらすみません。
膵臓癌だったそうですね。
周囲にはほとんど知らせていなかったようですね。
星野さんはプロ野球界では「闘将」と恐れられ、怖いイメージがありますが大変に礼儀を重んじる腰が低く丁寧な方だったとか。
最近ネットでも各界からお悔やみの言葉が寄せられ、生前のエピソードに関する記事を見かけます。
そんな星野さんですが大変「食」を大切にする方だったそうです。
亡くなる10日前にも正月に親戚が集まるのでタンしゃぶを振る舞いたいとのことで、上タンを注文していたという記事を見かけました。
膵臓癌は消化器癌の中でも背中やみぞおちの部分の痛みが強く、消化液の分泌も悪くなるから食事もかなり辛いときがあったんじゃないかなと思います。
私たちが指導するときはなるべく消化液が少なく、消化に時間がかからないものを進めますが、星野さんは親しい人にまで癌であることを隠していたようですから普段通りに生活し、美味しいものも食べて自分らしく過ごしていたんだと思います。
先日、とある病院の栄養士さんから「抗がん剤治療をする患者さんに事前に副作用に対する栄養指導を行うと、落ち込んでしまう例が多い」と相談のメールをいただきました。
患者さんのみならず、人はそれぞれ理念や生活環境が異なります。食餌療法とは言え、病気でひとくくりにするやり方には限界があります。
癌の栄養指導は、糖尿病や高血圧などとは少し意味合いが違ってくると思います。
これだけ情報が簡単に手に入る世の中ですから、抗がん剤の副作用や、癌の種類、ステージ、予後、いろんなことが分かります。よって、医師から少し説明を聞けば、進行具合によって「死」を連想する患者さんも少なくないでしょう。
共感、寄り添う、言葉でいうのは簡単ですが難しいことです。
癌患者への栄養指導の意味。もう一度考えてみたいと思いました。